こんにちはリュースケです
今回は「認知的不協和」という心理が投資(FX)のトレードにおいて当てはまりやすいので、解説していきたいと思います。
簡単に説明すると、矛盾を感じる出来事があったとしても自分の都合の良い方に思考を寄せて自己解決してしまうということです。
この記事はこんな方におすすめ
- 同じ失敗をしてしまう
- トレードが進歩しない
- 損切りができない
自分は正しいと思って行動していても、何か矛盾を感じて気持ち悪い感覚に陥ったことはありませんか。
“認知的不協和”とはその気持ち悪さをなくすために、脳が矛盾を勝手に良いほうに解釈してしまいます。
そしてその結果が正しいと思い込んで、疑わなくなります。
- 良くない心理状態を把握できるようになる
- 損切り・ナンピン時に一呼吸おいて考えられるようになる
- 現状を受け入れられるようになる
本記事の内容はもくじよりどうぞ
認知的不協和がもたらす影響とは
誰が考えたの?
米心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された考え方です。
矛盾したものが混同していると、どちらか一方の考え方へ寄せる行動をとってしまいます。
矛盾した気持ち悪さを少しでも軽減すべく、比較的変えやすい方を選び協和状態に保とうとします。
例えば相場では
- マーケットの情報と実際の相場状況に違いが生まれている
上記の場合は、「マーケットの情報」「実際の相場状況」で矛盾が生じているので、無理やりどっちかの意見を信じ込み納得させてしまいます。
例えば
アメリカ「金利を上げます」
アメリカが金利政策を打ち出した場合、米ドルを持っておけばお得なので買おうとします。
そうなると米ドルの価値が上がり、米ドル高の現象になります。
しかし!相場の動きはそう単純なものでもありませんので、理屈的には【ドル円】でいうとドル高円安になるはずですが、逆の動きをする場合もあるのです。
そうすると脳が矛盾を発見して”認知的不協和”の状態になります。
「下落トレンドだったから継続して下げているのかー」
と無理やり事実を納得させようと数ある情報の中から当てはまるもののみを持ってきてしまうのです。
有利な情報ばかり入ってくる
認知的不協和状態に陥った場合は、どちらか一方の良い情報ばかり耳に入ってくるようになり、偏りをなくそうと働きます。
FXでエントリーを考えている場合
先ほども例で上げましたが、「マーケットの情報」と「実際の相場状況」が違う場合に実は買いor売りどちらかでエントリーしようかはすでに決まっています。
売りで入ろうとしている場合は、「下落トレンドだから今売りで入れば間違いないはず!」とマーケットの情報はまったく無視してエントリーしてしまいます。
そして逆行してしまった場合には、「マーケットの情報の影響で上昇したのかー」と今度は下落しなかった要因を結び付けます。
損切りできない場合
まず認知的不協和の思考になっている場合、「ここまで下がったら損切りしよう」という明確なルールが決まっていないことが多いです。
そして異なる情報の片方を消し去ってしまっていますので、多少逆行したところで一度決めた思考は強固なものになっておりなかなか損切りができない状態になってしまいます。
日常生活において
よく例に例えられるのが、「タバコ」ですね。
- ストレス軽減できる
- コミュニケーションを取りやすくなる
- 感情のコントロールができる
- 健康によくない
- お金がかかる
- 肩身が狭い
上記のように”タバコ”デメリットが多く存在するにも関わらず、やめることができないのが喫煙者の現状です。
「健康に悪いけどストレスが溜まってしまうからやっぱり禁煙はやめておこう」
と“健康に悪い”という情報は受け入れずに、”ストレス軽減”という情報だけを受け入れることによって納得してしまいます。
知らず知らずのうちに自分を説得している
投資で実際にトレードしたことがある人なら一度は経験したことがある「お祈りトレード」と言うものがあります。
“お祈りトレード”=”絶体絶命”だと思いますので、思考が最高潮におかしくなっている状態になります。
そんな状態で冷静な判断ができるわけもなく、圧倒的に不利な相場状況でも希望を無理やり見出そうとしてしまいます。
「必ず戻すはずだ!!」
とどこから持ってきたかわからないような根拠を盾にして無謀な戦いを挑んでしまいます。
自分の判断を正当化したいだけ
結局は自分の判断が正しいと思い込みたいというのが、1番の原因になります。
頑固者やひねくれものと言った方が伝わるかもしれませんね。
“相場は生き物”で刻一刻と相場状況は変化していきます。
昨日まで使えていた手法が今日はまったく機能しないなんてことは、ざらにあります。
手法もそうですが、最初に決めたエントリーの考えを相場状況により柔軟に変え、対応できなければFXや投資で生き残ることは不可能と言いきれます。
決定後の不調和
認知的不協和をより進行させる心理になります。
決定後の不調和とは
意思を変えられない物事の決定をしたあとに、さらに自信を深める現象
FXの場合
エントリーしてポジションを抱えてしまったら、もう変えることはできませんよね。
※ポジションを持ち直すことはできます。
一度ポジションを持ってしまったら、エントリーする前よりも自信が強くなり自分の判断は正しいと思い込んでしまいます。
これも”損切り”できない数ある要因の1つであることは間違いありません。
日常生活において
車を購入したあとに、やっぱり違う車の良いところが見えてしまい欲しくなってしまいました。
しかし一般人には車を何台も購入する資金力はありませんので、今度は購入した自分の車の良いところが見えてきます。
そして自分を納得させてしまいます。
認知的不協和の解消
簡単に言うと、手の届かない存在のものをあきらめるときに発生する心理になります。
とある童話の例
- おいしそうなブドウがなっている木を発見したので取ろうと頑張ります。
- しかし高いところにあるので、届きませんでした。
- 食べたいけど取れないという”認知的不協和”が生まれます。
- そしてあのブドウは”すっぱいブドウ”だったから食べなくてよかったと勝手に思考の転換を行います。
FXではマイナス要素でしかない
認知的不協和は基本的にマイナス要素でしかありませんので、排除しなければいけない思考の1つになります。
幅広く用いられる心理状態ではありますが、無意識になっていることが多く日常生活でも当てはまりますが、投資でも重要になってくることがあります。
特に良くない方向へと進んでしまう可能性が高いので、どんな状態になったら危険なのか知っておくことで有利にトレードを行うことができます。
とにかくFXや投資はメンタル8割と言われるほどに、心理状態の影響が大きくなっています。
メンタル面を知ることでトレードレベルも上げていくことができるので、”認知的不協和”がもたらす影響を見ていきましょう。
損失を認められない
「矛盾の原因2つの変えやすい方を変える」などとにかく自分にとって都合の良い解釈ばかりしてしまうので、間違えた場合にそこからまた意見を変えるのはなかなか難しくなります。
自分の間違いを認められない状態が続くとどうなるかはもうわかると思いますが、”損切り”ができなくなります。
損切りができないということは、目の前の損失を認めずに逃げていることになります。
時には間違いを認めて切り替えることができなければ、初心者トレードからの卒業はできません。
予想に自信があるほど起こり得る
自信を持つことは悪いことではありませんし、むしろメリットの方が多いかもしれません。
しかしその自信はときに残酷な結果へと導いてくるかもしれません。
エントリー前にはそれなりの根拠を用意して、自信を持ったトレード体制を整えているとは思います。
準備すればするほど自信がついていきますが、自信があればあるほど意見を変えることが難しいのもまた事実です。
認知的不協和が発生した場合
これは間違いなく自信を持っている意見を貫き通すことになるでしょう。
そうなってくると”自信を持っている意見”が間違えている場合はどんどん深みにはまっていき、抜け出せなくなってしまいます。
良くないナンピンをしてしまう
ナンピンというのは賛否が分かれる手法ですが、私は”ナンピン”肯定派ですのでやり方さえ間違えなければ有効な手法だと思っています。
しかし”認知的不協和”による絶対的な自信からくる計画性のない”ナンピン”は否定したいと思います。
“自信=根拠”ではありませんので、根拠がある計画性のあるナンピンをおすすめします。
まとめ:矛盾を感じたらトレードはやめましょう
結論ですが、エントリー前の段階で少しでも頭の中で”矛盾”を感じ取ることができたらトレードは控えましょう。
まずその矛盾の原因をはっきりさせることが大切です。
“認知的不協和”の乗り越え方は、危機察知の感度を上げることです。
「まぁ大丈夫だろう」
と言う考えが1番危険であり、感度が低い状態になりますので、トレードを行っても良いことはないでしょう。
たとえ勝っても負けても特に得られるものもなく、トレーダーとしてのレベルを上げることはできません。
勝った場合
負けた場合
投資(FX)において”根拠”というものはとても重要な要素になります。
それがたとえ合っていなくても根拠を持っているということがポイントになってきます。
トレードを行う場合
「なぜここでエントリーするのか」
「なぜここで損切りするのか」
上記を自分に問いただして答えられるようなら先に進んでも良いのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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