こんにちはリュースケです
今回は「バンドワゴン効果」という心理状態が投資やFXトレードにおいて影響してきそうだったので解説していきたいと思います。
簡単に説明すると、大勢のユーザーがいる商品は内容をよくわかっていなくても”良い物”だと確信してしまう心理状態です。
バンドワゴンとは
バンドワゴンはパレードの先頭で演奏する音楽隊のことでしたが、いつしか”優勢な勢力”を指すようになりました。
昔はバンドワゴンの愉快な演奏に惹かれて後についてくる人々が多くなり、やがてお祭り騒ぎになってしまうことから「バンドワゴン効果」と呼ばれました。
この記事はこんな方におすすめ
- バンドワゴン効果ってなに?
- バンドワゴン効果がFXにもたらす影響を知りたい
- 今後気を付けるべき点を知っておきたい
FXは大衆心理によって相場が形成されているといっても過言ではありません。
バンドワゴン効果に巻き込まれ、大衆と同じ行動をしていてもFXで勝つことはできません。
むしろFXで勝つには、大衆とは逆の少数派になる必要があります。
- トレードレベルを上げられる
- メンタル面を生かしたトレードができるようになる
- 危険な心理状態を察知できる
私が”バンドワゴン効果”を知るきっかけになった本なのでぜひ参考にどうぞ!
バンドワゴン(楽隊車)が賑やかに進んで行く様子を思い浮かべて欲しい。耳に心地よい音楽がバンドワゴンのスピーカーから流れてきてはいるが、バンドワゴンの後ろについて思う存分楽しんで盛り上がっているのはごく少数の人々である。音楽は大きな音で鮮明に鳴り響き、沿道にいる傍観者たちは甘い音楽に抗することができず、盛り上がっているように見えるパーティーに飛び込んで行く。傍観者たちが次々とバンドワゴンの後ろに参加していくなかで、当初パーティーの始まりを楽しんでいた人々は離れて行く。後からパーティーに参加してくる人々が増えてくるに従って、バンドワゴンは同じペースで前に進むことが困難になってくる。バンドワゴンの進行速度は徐々に遅くなり、陽気な騒ぎを見物していた傍観者のさらなる参加を可能にする。群衆はさらに大きくなる。酔っ払った群衆に囲まれてバンドワゴンが前に進めなくなるまで群衆は拡大を続ける。やがてバンドワゴンは完全に停止する。バンドワゴンが全く動かなくなると、さらに群衆が膨らんでいく。それも当然である。この時点でパーティーに参加することは極めて容易である。パーティーに加わろうとする人々はもはやバンドワゴンに飛び乗る必要もなく、何の苦労も要しない。しかし、バンドワゴンの本分は前に進むことである。停止しているバンドワゴンは不自然なものであり、したがって、その状態は長続きするものではない。
バンドワゴンは前に進もうとするが、進むことができない。
バンドワゴンの後ろに群がる群衆の数があまりにも多すぎる。
バンドワゴンは何とかこの重荷を振り払わなければならない。
そう、バンドワゴンはバックし、数人をなぎ倒すのである。
音楽が鳴り止む。群衆の中に困惑した顔が見える。何が起こっているのかがわからぬうちに、再びバンドワゴンは先程よりも乱暴にバックする。さらに多くの人々が放り出される。そして、現実が目の当たりになる。突如として餐宴は悪夢に変わり、パニックが生じる。ある者はバンドワゴンから飛び降りて死んでしまう。さらにバンドワゴンがバックすると、酔っ払って足許のおぼつかない人々が地面に投げつけられる。この時点で、わずかな、熱狂的なバンドワゴンのファンのみがつかまっている。彼らの命は非常に細い糸にかかっている。完全に自由になることができないまま、バンドワゴンはアクセルを全開にする。この最後のバックはあまりにも荒々しく、最後までバンドワゴンにしがみついていた人々は振り落とされ、地面に叩きつけられ重症を負ってしまう。
この時点で新たな傍観者の一群がどこからともなく現れる。彼らは酔っ払っておらず、平静である。彼らの一挙手一投足は、今しがたの惨劇に関わっていなかったためか、力強く、はっきりとしたものである。彼らは誰なのか。その新しく見える一群は決して新しい顔ぶれではなかった。その一群はパーティーが荒れ狂う前に静かにその場を離れていった人々だったのである。倒れている傍観者たちは、さらに衝撃的な事実を知る。彼らはパーティーの最初の頃に参加していただけではなく、パーティーを始めた人々であったのである。
デイトレードより抜粋
本記事の内容はもくじよりどうぞ
バンドワゴン効果ってなに?
ハーヴェイ・ライベンシュタイン(Harvey Leibenstein)というアメリカの経済学者が提唱した行動心理学です。
上記のように事実は知らないが、大勢の人が良いと言っているものなどに惹かれてしまう現象です。
知識や経験が浅いものに関しては、大多数の意見を参考にしてしまう気持ちもわかります。
しかし”バンドワゴン効果”とは自分の意見があるにも関わらず、大勢の人が良いと言っているからあっちの方が良いものなんだと思い込んでしまいます。
なぜ自分の意見を変えてまで他の選択をしてしまうのかにはいくつかの理由があります。
安心したい・失敗したくない
安パイをとって無難な選択をしていきたいという思考が”バンドワゴン効果”を実現させてしまっています。
例えば
詳しくない家電を選ぶ際に店員さんにおすすめを聞いてみます。
「当店売れ筋ナンバー1です!!」
「この機能が付いていてこのサイズが1番お得ですね!!」
上記のように言われた場合に大抵の人が
「じゃあこれで!」
と言いますよね。
この場合は”大衆”=”店員”という構図になっています。
店員さんがいうのだから「間違いない」「失敗しないはず」と思い込んでしまいます。
流行りが流行りを増長させる
時代によって流行りというものは、変化していくものですが何も流行っていない時代は存在しません。
例えばstep
1面白そうな映画が近日上映開始される
step
2見た人の感想はそこそこ評判が良いみたいだ
step
3ずば抜けた人気で社会現象になる
step
4見ていないと話題についていけなくなる
最初は「面白そうだから見に行こう!」だったのが⇒「人気があるから見に行こう!」に変化していきます。
正直中身の内容にそこまで興味がない人も取り込むことに成功しています。
“ファンタジー”好きの人間が”サスペンス”の映画を見に行くような、本来は取り込む予定のなかった層までも取り込みに成功してバブルが起きている状態になります。
反対の効果で”スノッブ効果”というものもある
“バンドワゴン効果”の反対の意味あいになりますので、大勢の人が良いと言っているけど私は違うものにするという唯一性を求める心理効果になります。
要は天邪鬼な性格ということになります。
“限定”や”希少”などといった言葉に弱く、他人との差を強くしたい気持ちが生まれます。
投資の世界では”スノッブ効果”が現れるのは良い傾向かもしれません。
少数派に入ることができれば、おのずと利益を上げられるのがFXトレードですので、この感情は大切にしていきたい所ですね。
ブランド力が強いほど効果があります
例えば趣味を始める場合
新たに趣味を始める際に、道具をそろえなければいけません。
道具をそろえるのに知識がありませんので、有名で聞いたことあるメーカーを使えば問題ないと思いませんか。
もはやこれが”バンドワゴン効果”になっています。
日本人はバンドワゴン効果に支配されている
上記画像はスマホのメーカー別シェア率になりますが、日本人がiPhoneに依存していることがわかりますね。
「iPhoneが1番良いから」
「iPhoneはみんな使っているから」
iPhoneは使いやすく、私も使っているのですがアメリカよりも多いのが驚きですね。
日本人はマジメで規律を乱すのが苦手とされているので、「みんなと同じが正しい」「集団の輪を乱してはいけない」というような気持ちが強いです。
そのため”バンドワゴン効果”になりやすく、個性もなくなっていってしまいました。
投資では多くの情報が存在していますが、その情報に惑わされやすいのも日本人が多いのではないでしょうか。
日常でよくみられる例
“バンドワゴン効果”は知らず知らずのうちに日常生活においても頻繁に使われております。
具体的に感じてもらうために、いくつか例を紹介していきます。
人気ランキング
よく知らないお店で注文する場合、「おすすめ」や「人気ナンバー1」と表示されていたらとりあえず無難に注文してみようかという気持ちになりますよね。
- 人気がある
- みんな注文している
- おいしいに違いない
- 注文してみたい
上記のような心理状態になります。
初めて利用する商品において
とりあえず情報を集めようとします。
すると「当店人気ナンバー1」や「こんな方におすすめ」という情報が手に入ります。
その情報をもとに”安心感”を得ることができ、購入に至ります。
キャッチコピーがかなりの重要度を占めていると言っても過言ではありません。
“全米が泣いた!”なんて言葉は有名ですが、全米が泣くほどなら観てみようかなと思っちゃいますよね。
恋愛において
女子からめちゃくちゃ人気のある男子がいたとします。
「みんな好きな人がどんな人か見てみようかな」
「あっちょっとカッコいいかも!」
となり、人気がある子はさらに人気を呼ぶ構図になっています。
【FX】における”バンドワゴン効果”
少し前置きが長くなりましたが、本題に入っていきたいと思います。
バンドワゴン効果によるトレードの危険性含め、対策まで書いていきます。
“大衆心理に乗っかる”=”バンドワゴン効果”みたいなものなので、FXではかなり危険な状態になります。
トレンドは大衆心理により形成されますが、大衆に乗っかったところで手遅れの場合が多いのですぐに反転して損失を生みかねません。
相場は大衆心理が作り出した産物
個人投資家だけが大衆トレーダーに当てはまるとは限りません。
“機関投資家”や”大口トレーダー”なども人間ですので、大衆心理に該当することができます。
しかし個人投資家以外の投資家は相場に罠を仕掛けたりして、我々個人投資家を”バンドワゴン”から振り落とそうとしてきます。
“ダマシ”とも呼ばれますが、チャートパターンによく現れています。
チャートパターンについてはこちらをどうぞ
多くの人がトレンドと認識した段階からトレンドは加速していきます。
トレンドのでき始めが、バンドワゴンにまだ誰も乗っていない状態で付いてきている人も少ないです。
トレンドの終盤に差し掛かるころには、バンドワゴンの周りはお祭り騒ぎになっていて前に進めない状態になっています。
バンドワゴンを動かすには、周りの人は払いのけなければならないので相場が急変したりします。
- トレンド初期を見つけること
- トレンド終盤に乗ろうとしないこと
仮想通貨はわかりやすい例
2017年後半~2018年初頭でビットコインバブルが起こりました。
最初は”ビットコイン”という”仮想通貨バンドワゴン”がゆっくりと走り出しました。
しかし仮想通貨という物珍しさもあり、すぐに人が集まり価格が暴騰を始めたのは記憶に新しいかと思います。
そして”仮想通貨バンドワゴン”に人が集まり過ぎたなれの果てが、バブル崩壊して価格が暴落しました。
値動きすべてがバンドワゴン
気にし過ぎるのもいけません。
すべてのプライスアクションが”バンドワゴン”だと思い込んでしまい、乗り遅れまいと無駄なエントリーが増えてしまっては元も子もありません。
必ずしも”バンドワゴン”の先頭にいる必要性はなく、しっかりと初動を確認してから行動に移すことが重要です。
トレンドの下から上までをキレイに捉えることは実質不可能になりますので、「乗り遅れまい!」という気持ちは一旦置いておきましょう。
追いかけても手遅れです
トレンドの後乗りは非常に危険なものになります。
値動きがあったからと言って焦らずにじっくりと相場を見極めることが大切です。
バンドワゴンの最後尾を付いていってもすぐに振り落とされます。(反転します)
最後尾の人が付いてきた時点で”①バンドワゴン先頭集団”は離脱を始めます。
“④最後尾”にならないためにも”②前半組”に入れるように意識してトレードしていかなくてはなりません。
対策としては一点だけ
“バンドワゴン効果”によって「勢いに乗り遅れたくない!」「勝ち馬に絶対に乗りたい!」という気持ちが先行してしまうのは1番危険です。
最善の策としては、”自分ルール”を確実に実行できるようになることです。
“自分ルール”を作るのではなく、守ることが重要になってきます。
バンドワゴン効果にに惑わされた時点で、”自分ルール”はあってないようなものに変わります。
決して焦ってはいけません。
短期で稼ごうと考えるとどうしても欲が出て、少しのプライスアクションにも反応してしまいがちになり”ポジポジ病”を発症してしまいがちですが、冷静になりましょう。
完璧なエントリーと利確は不可能ですので、自分ルールに従ってトレードすることが”バンドワゴン効果”に立ち向かう最善の策になります。
自分ルールについてはこちらの記事をどうぞ
ポジポジ病についてはこちらの記事をどうぞ
まとめ:雰囲気がすべて
バンドワゴン効果ですが、結局は雰囲気がすべてであり、空気に呑まれなければ対応可能になります。
“隣の芝生は青い”と言い、他人のものが良く見えてしまう現象が集団になったのが”バンドワゴン効果”だと私は思っています。
“みんなが使っているからきっと良いものだ”という判断材料になることは間違いありません。
日常生活では何の支障もなく、ビジネスでも応用されているテクニックになります。
しかし投資(FX)になるとその姿は一変して私たちに襲い掛かってきます。
少数派が勝つことのできる投資の世界では天敵とも言えるほどの心理現象になりますので、覚えておいて損はないと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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